フラッシュバックとは?
突然、過去のつらい記憶が鮮明によみがえり、まるで今その瞬間に戻ったかのように感じる――これは「フラッシュバック」と呼ばれる現象です。過去の出来事が直接今に起こるわけではありませんが、記憶が現在の出来事であるかのように再現されることがあります。誰もが経験するわけではなく、自分で気づく場合もあれば、無意識のうちに影響を受けている場合もあります。
フラッシュバックとは、過去のトラウマや感情的に強烈な出来事が突然思い出され、まるでその瞬間に戻ったかのように感じる現象を指します。視覚的な映像、音、匂い、体の感覚など、さまざまな形で再現されることがあります。
なぜ起こるのか、フラッシュバックの原因
強い恐怖や衝撃を伴う体験をすると、その記憶が通常の形で整理・処理されないまま、神経系に「生々しい記憶」として残ってしまうことがあります。似たような音、匂い、状況などのきっかけ(トリガー)に触れたとき、神経系がその記憶を「今、危険が起きている」と誤って認識し、フラッシュバックとして再現されると考えられています。
フラッシュバックが与える影響
フラッシュバックは、その時の感情やストレスを再び引き起こし、日常生活に大きな影響を与えることがあります。具体的な影響は以下の通りです。
精神的負担
恐怖や不安などの感情が再び生じ、精神的な混乱を招くことがあります。
身体的反応
心拍が早まったり、汗をかいたり、体が震えたりするなど、身体的なストレス反応が現れることがあります。
日常生活の支障
フラッシュバックの影響で、仕事や学業、人間関係に集中できなくなり、社会的な活動が難しくなる場合があります。
睡眠の乱れ
繰り返しフラッシュバックが起こることで、不眠や悪夢といった睡眠障害が発生することもあります。
フラッシュバックへの対処法
フラッシュバックの影響を軽減し、心と体の安定を取り戻すためには、適切な対処法が必要です。ここでは、体を使った方法と言葉を使った方法の2つのアプローチを紹介します(服部, 2024)。
体を使った対処法
フラッシュバックが起きた時に「今、この瞬間」に戻るための方法です。自分の意識を現実の感覚に引き戻すことが目的です。足を地面にしっかりと押し付けてその感覚に集中したり、椅子に座っている感覚を確認したりします。机や壁を強く押してその感触を感じる「プッシング」も有効です。周囲の物に触れ、その感触に注意を向けることも役立ちます。五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を使って、今ここにいることを確認しましょう。たとえば、周りを見回して安全な場所にいることを目で確認します。
言葉を使った対処法
現実に意識を戻すために、言葉で自分を確認し、過去と現在を区別します。今日の日付や時間を口に出して確認し、自分の声で「今」を感じましょう。例:「今は2026年6月、私は〇〇歳です」と言葉にしてみます。また、周囲の物を言葉で表現し、現実世界に焦点を当てることも有効です。例:「青いカップが見える」「白い壁に掛けられた絵」など。
サポートを求める
フラッシュバックを感じた時は、信頼できる人や専門家に相談することが重要です。孤独感や恐怖感が軽減され、心の支えになります。
まとめ
フラッシュバックを管理し、日常生活における影響を減らすためには、これらの対処法を習慣化することが大切です。時には専門家のサポートを受けながら、心身の健康を保つことを目指しましょう。トラウマによる神経系の反応に専門的に向き合いたい場合は、神経系の仕組みに基づくアプローチについてもご覧ください。
当オフィスでは、神経系からのアプローチで慢性痛・身体の不調に向き合っています。
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参考文献
服部信子(2024)『今すぐできる心の守りかた フラッシュバック・ケア』KADOKAWA

