こんにちは。セラピーオフィス・ほとりの志村です。
今回は、痛みの強さの謎について、お伝えします。
まず、痛みに関してよくあるお悩みについてお聞きください。
「整形外科で骨が少し変形していると言われた。でも、近所の人はもっと骨が曲がっているのに痛くないと言う。なぜ私だけがこんなに激痛なのだろう……」
「病院の検査では『どこも異常ありません』と言われた。それなのに、毎日体中に刺すような痛みが走る。誰にもこの苦しみを信じてもらえない」
このように「画像上の異常」と「実際の痛みの強さ」のズレに悩み、孤立感を深めている方が多くいらっしゃいます。
結論からお伝えします。近年の医学・身体心理学の臨床において、「組織の異常の大きさ」と「実際の痛みの強さ」は、必ずしも比例しないことが明らかになっています。
検査結果に異常があってもなくても、組織の異常が大きくても小さくても、そうしたこととは関係なく、痛みが強くなることがあります。
どうしてなのでしょうか?
それは、レントゲンやMRIには写らない、「神経系の誤作動」が身体の中で起きているからなのです。
今回は、その仕組みについて分かりやすく解説します。
画像上の「異常」と「痛み」の不思議なズレ
医療の現場では、次のような現象が日常的に起きています。
画像上は重度の骨の変形や椎間板のヘルニアがあるのに、本人は「まったく痛くない」と元気に暮らしているケース。
逆に、骨の変形はごく軽度、あるいは「異常なし」と診断されたのに、ひどい激痛に何年も苦しんでいるケース。
こうした違いは、私たちが感じる痛みが、単に「骨や筋肉が傷ついているかどうか」だけで決まるわけではないことを示しています。
痛み(慢性痛)の長期化には、組織の損傷そのものだけでなく、痛みの信号を脳へと送り続けてしまう「神経系の問題」が大きく関わっているのです。
痛みのボリュームが壊れる「中枢性感作」とは?
この、神経系が過敏になり、痛みの信号を発し続けてしまう状態を、専門用語で「中枢性感作(ちゅうすうせいかんさ)」と言います。
私たちの身体は、怪我や強いストレス、長期にわたる緊張にさらされると、脳と脊髄(中枢神経系)がサバイバルモード(警戒態勢)に入ります。
通常であれば、トラブルが去ると警戒態勢は解除され、痛みのボリュームは下がります。
しかし、過度な緊張状態が続いたり、過去にショックな体験(トラウマ)があったりすると、神経系のスイッチが「警戒モード」のままロックされてしまうのです。
これは、家の「防犯アラーム」に例えると分かりやすいかもしれません。
泥棒(大きな怪我)が入ってきたわけではないのに、窓の外を小さな虫が横切ったり、風でガラスが少し揺れたりしただけで、大音量のアラーム(激痛)が鳴り響いてしまう。
そして、一度鳴り始めると、自力では止められなくなっている……。これが「中枢性感作」の正体です。
なぜ、従来の治療だけで届かないケースがあるのか
現代医療の素晴らしいお薬やブロック注射、あるいは手術などは、主に「傷ついた組織(局所)」を治療したり、その瞬間の「痛みの信号」を一時的にブロックしたりすることには長けています。
しかし、一度ボリュームが上がりきって、システム自体がバグを起こしてしまった「神経系そのもののモードの違い」を書き換えることは、身体(局所)の治療だけでは非常に難しいとされています。
だからこそ、薬や注射で変わらなかった慢性痛に対しては、「神経系のシステムそのものへ直接働きかける、別のルートからの方法」が必要になるのです。
神経系に働きかける方法として
薬や注射で変わらなかった慢性痛に対して、近年注目されているのが神経系そのものへ働きかけるセラピーです。
代表的なものとして、身体の微細な感覚を手がかりに神経系の緊張を少しずつ解放していくSE™(ソマティック・エクスペリエンシング®)や、脳が過去の未処理な記憶を自然に処理する力を助けるEMDRがあります。
これらは世界基準のトラウマ・慢性痛へのセラピーとして、国際的に研究・実践が積み重ねられています。
あなたの痛みは、あなたが大げさなのではありません。神経系が過去の負荷からあなたを守ろうとして、サバイバルモードのまま戻れなくなっているだけかもしれません
土日限定で「安全な時間」を
あなたの痛みは、あなたが大げさなのではありません。あなたの神経系が、過去の負荷からあなたを守ろうとして、サバイバルモードのまま戻れなくなっているのです。
当オフィスは、病院での診察(数分間)では決して確保できない「60分~120分」という十分な時間を確保し、あなたの身体の背景にある物語にじっくりと向き合います。
セラピーオフィス・ほとりでは、土曜日・日曜日限定で、SE™とEMDRを用いたセッションを行っています。対面(池尻大橋)またはオンラインでお受けいただけます。※2026年9月より対面は一時休止予定。
ご相談はお気軽にどうぞ。
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